よくある質問
- Q訪問歯科診療とは何ですか?
- A訪問歯科診療とは、歯科医師と歯科衛生士が、歯科医院への通院が困難な方のために、ご自宅や介護施設、病院へ直接お伺いして、歯科治療や専門的な口腔ケアを提供する医療サービスです。
私たちの訪問診療は、単に「歯を診る」ことに留まりません。
私たちは、患者様が住み慣れた場所で安全に、そして快適に生活を続けられるよう、「食べる」「話す」「飲み込む」といった生活の質(QOL)に直結する口腔機能の維持・回復を目指します。
最新のポータブルユニットやポータブルレントゲンといった機材を持ち込むため、外来で受けられるのと同水準の質の高い診断と治療をご提供できるのが最大の特徴です。
患者様ご本人やご家族が通院のために移動する手間や身体的な負担を完全に解消し、継続的なお口の健康管理を可能にします。 - Q誰でも利用できますか?
- A訪問歯科診療は、歯科医院への通院が困難な方が対象となります。
具体的には、寝たきりの方、車いすでの移動に介助が必要な方、重度の障害をお持ちの方、あるいは認知症により移動や慣れない環境での治療が難しい方などが該当します。
厚生労働省の規定により、「歯科医院から半径16km以内にある居宅または施設に入居している方で、歯科訪問診療を必要とする方」と定められています。
当院は、この基準に基づき、患者様の状態を詳しく確認させていただきます。
通院が困難かどうかは自己判断せず、まずは一度当院へご相談ください。
歯科医師が直接訪問し、患者様の状況を確認した上で、最適な診療計画をご提案いたします。
無理に我慢せず、専門家のサポートをぜひご利用ください。 - Q家族が通院に付き添えば利用できますか?
- A原則として、通院が困難な方が訪問診療の対象となります。
一時的に体調を崩している、家族の都合で今回は送迎ができないといった理由の場合は、保険適用外となる可能性があります。
しかし、当院では患者様やご家族の意向を尊重し、最適なケアを提供できるよう努めています。
例えば、認知症や重度の不安を抱える患者様の場合、ご家族や介護者の方が診療に立ち会っていただくことで、患者様が安心して治療を受けられるというメリットは非常に大きいと考えています。
治療方針の説明や、日々の口腔ケアの指導を行う際にも、ご家族の立ち会いは重要です。
通院の可否についてご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
当院の専門スタッフが詳しくお話を伺い、適切な利用方法をご案内いたします。 - Q訪問場所はどこでも大丈夫ですか?
- A訪問診療が可能な場所は、ご自宅、介護施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなど)、病院(入院中)です。
これらの場所であれば、患者様が生活されている空間、あるいはベッドサイドなどで診療を行うことができます。
私たちは、患者様が最もリラックスでき、安心できる環境で治療を受けていただくことが、質の高い診療につながると考えています。
ただし、一部の集合住宅や特定の病室・施設など、環境や規定により難しい場合もございますので、まずはお問い合わせの際に、訪問先の詳細をお伝えください。
当院の訪問チームは、訪問先の環境に合わせて柔軟に対応できるよう、すべての機材をコンパクトにまとめて携行できる体制を整えています。 - Q費用は保険適用になりますか?
- A訪問歯科診療は、健康保険と介護保険の両方が適用される医療サービスです。
歯科治療にかかる費用は、健康保険の自己負担割合(通常1割、2割、または3割)に応じてお支払いいただきます。
また、歯科医師や歯科衛生士が、口腔衛生管理の指導・計画書の作成などを行う「居宅療養管理指導」というサービスには介護保険が適用され、介護保険の負担割合(通常1割~3割)に応じた費用がかかります。
複数の専門的な施設基準(歯援診、在歯管など)を満たしている当院は、これらの保険診療を適切に行うための体制を整備しています。
具体的な費用については、患者様の負担割合や治療内容によって変動しますので、無料の初回検診時に詳しくご説明し、ご納得いただいた上で診療を進めます。 - Q交通費はかかりますか?
- Aご安心ください。当院の訪問可能エリア内にお住まいの患者様に対しては、基本的に交通費はいただいておりません。
訪問診療は、通院が困難な方への生活支援の一環であるという考えのもと、患者様やご家族の金銭的な負担をできる限り軽減したいと考えております。
ただし、遠方への訪問や有料道路の利用が必要となる特殊なケースについては、事前にご相談させていただく場合がございます。
当院の訪問可能エリアは、柏市を中心に半径16km圏内ですが、2台の訪問車と充実したスタッフ体制により、このエリア内の患者様へスムーズかつ迅速に専門的な歯科医療をお届けできるよう体制を整えています。 - Q訪問エリアはどこまでですか?
- A当院は、拠点である柏市を中心に、当院から半径16km圏内を主な訪問エリアとしております。
この範囲内であれば、上記Q6でご説明した通り、交通費は原則不要です。
柏市内の隅々まで、そして近隣の市町村の一部についても対応可能です。
具体的な訪問エリアに含まれるかどうかは、お住まいの地域によって異なりますので、まずは当院にお問い合わせいただく際にご住所をお伝えください。
当院の強みは、歯科医師10名、歯科衛生士8名という充実したスタッフと2台の訪問車があることです。
これにより、広範囲の訪問エリアであっても、患者様の急な症状やご要望に対し、迅速かつ安定的に対応できる機動力とマンパワーを確保しています。 - Q訪問診療のメリットは何ですか?
- A訪問歯科診療のメリットは、主に「身体的負担の軽減」「精神的安心感」「生活の質の向上」の3点に集約されます。
まず、通院のための移動や待ち時間の負担が一切ないため、患者様の体力の消耗を防ぎます。
次に、住み慣れたご自宅や自室という最もリラックスできる安心な環境で治療を受けられるため、特に認知症の方や不安が強い方にとって大きな精神的なメリットとなります。
そして最も大切なのは、生活の質の向上です。
合わない入れ歯や歯の痛みを放置せず専門治療を受けられることで、「美味しく噛める」「誤嚥のリスクが減る」「夜、痛みで眠れないことがなくなる」といった、快適で苦痛のない日常を取り戻すことができます。 - Q訪問歯科は医療と介護のどちらのサービスですか?
- A訪問歯科診療は、医療保険と介護保険の両方に関わるサービスです。
歯科医師が行うむし歯治療、抜歯、入れ歯の作製・修理などの治療行為は、医療保険の対象となります。
一方、歯科医師や歯科衛生士が、患者様の口腔衛生管理の計画を立て、ご本人やご家族、介護スタッフに口腔ケアの指導を行う行為は、介護保険の「居宅療養管理指導費」として扱われます。
当院は、「在宅療養支援歯科診療所(歯援診)」の届出をしているため、医療依存度の高い方にも安心して医療を提供でき、また、ケアマネジャー様との連携を重視し、介護保険サービスの一環として質の高い口腔管理指導を行う体制を整えています。 - Q訪問時間や曜日は指定できますか?
- Aできる限り患者様やご家族、施設のご希望の時間や曜日に沿うよう調整いたします。
しかし、訪問診療は、移動時間や次の患者様の予約との兼ね合いがあるため、ご希望に完全に添えない場合があることをご了承ください。
当院は、歯科医師10名、歯科衛生士8名、訪問車2台という充実した体制で、柔軟なスケジュール調整に努めています。
特に、急な歯の痛みや入れ歯のトラブルなど緊急性の高いご要望に対しては、迅速に対応できる体制を確保しています。
まずはお気軽にご希望をお伝えください。
専門の事務スタッフが、患者様にとって最適かつ効率的な訪問スケジュールをご提案させていただきます。 - Q訪問先でむし歯治療はできますか?
- Aはい、ご自宅や施設で、外来と変わらない水準のむし歯治療が可能です。
当院は、ポータブルユニット(歯を削る機器や吸引器などが一体となった訪問専用の診療台)や、LEDライト、麻酔器具一式を携行して参ります。
特に、「夜眠れないほどの歯の痛み」「食事がつらい」といった、患者様の今の苦痛を最優先で取り除くことを重視しています。
麻酔処置も安全に実施し、痛みの少ない治療を心がけています。むし歯の進行度合いに応じて、感染部分の除去、詰め物・被せ物の調整まで、必要な処置を丁寧に行います。
通院が困難だからとむし歯を放置する必要は全くありませんので、痛みがございましたらすぐにご相談ください。 - Q激しい歯の痛みがある場合、すぐに対応してもらえますか?
- Aはい、激しい痛みは患者様のQOLを大きく低下させるため、最優先で迅速に対応いたします。
当院は、充実したスタッフと訪問車により、高い機動力を確保しています。
痛みの原因を特定し、まず麻酔や感染源の除去、または神経を鎮める薬剤の充填など、痛みを早く取り除くための応急処置を行います。
また、必要に応じて医科主治医と連携し、内服の鎮痛剤を処方することで、夜間の痛みなどの苦痛を速やかに解消することを目指します。
痛みでお悩みの場合、まずはすぐにお電話でご連絡ください。
専門スタッフが状況を詳しく伺い、最短での訪問スケジュールを調整いたします。 - Q歯の神経の治療(根管治療)はできますか?
- Aはい、歯の内部に細菌が感染した際の根管治療(歯の神経の治療)も訪問先で安全に実施します。
根管治療は精密さが求められる処置ですが、当院はポータブルレントゲンで根管の形態を正確に把握し、訪問専用のエンジンや器具を用いて感染源を徹底的に清掃・消毒します。
この治療により、激しい痛みの原因を根本から取り除き、歯を長持ちさせることを目指します。
ただし、根管治療は複数回の訪問が必要になることが多いため、患者様の体力や全身状態に配慮し、一回の治療時間を短く(約30分)設定するなど、無理のない計画を立案・実施します。 - Q訪問先で抜歯はできますか?
- Aはい、抜歯が必要な歯がある場合は、ご自宅や施設で安全に処置を行います。
抜歯は小手術であり、特に高齢者や全身疾患をお持ちの方にはリスクが伴います。
そのため、当院では、以下の手順で安全を最優先しています。
まず、医科主治医と必ず連携し、患者様の全身疾患、特に抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)などの服薬状況を正確に把握します。
その上で、出血・合併症への配慮を徹底した計画を立て、最小限の負担で処置を行います。
グラグラの歯は誤嚥リスクを高めるため、患者様のQOLと安全のために、抜歯を選択することがあります。 - Q抜歯後の出血や腫れが心配です。
- A抜歯後の出血や腫れについては、万全の配慮をもって対応しますのでご安心ください。
抜歯前に医科主治医と連携し、服薬中の薬(特に血液凝固に影響する薬)について確認・調整を行った上で処置を行います。
抜歯後は、適切な止血処置と丁寧な縫合を行い、必要に応じて内服薬(抗生剤・鎮痛剤)を処方します。
また、ご家族や介護スタッフの方に対し、処置後の注意点や食事の指導を分かりやすく実施します。
処置後の口腔内の管理についても、定期的な訪問を通じてサポートし、傷の治癒や感染予防を徹底します。
これにより、出血や腫れなどの合併症のリスクを最小限に抑えます。 - Q入れ歯の作製や調整はできますか?
- Aはい、入れ歯の作製、調整、修理は、当院の最も得意とする分野の一つです。
当院には補綴歯科学会の専門医が在籍しており、顎の骨が痩せてしまった高齢者や、寝たきりの方など、訪問環境特有の難しい症例に対しても、長年の経験に基づいた高い専門性で対応します。
合わない入れ歯は食事の楽しみを奪うだけでなく、低栄養や嚥下機能の低下に直結します。
患者様の口腔機能や全身状態を考慮した上で、噛み合わせのバランスが良く、ぴったり合う精密な入れ歯をご提供し、快適な食生活の回復を目指します。 - Q入れ歯が壊れたり、合わなくなったりした場合、その場で修理できますか?
- Aはい、入れ歯のトラブルは一刻を争う患者様の苦痛であると認識しています。
当院は、ポータブルエンジンや専用の修理材料を訪問時に携行しているため、入れ歯の欠損や破損、人工歯の脱落、ガタつきなどの不適合に対する修理や調整を、可能な限り訪問先でその場で行います。
これにより、患者様が「入れ歯がない不便な時間」を最小限に抑えることができます。
その場で対応が難しい複雑な修理や再製作が必要な場合も、再製作の型取りなどをスムーズに進め、できるだけ早く「噛める状態」を回復できるよう努めます。 - Q歯周病治療はできますか?
- Aはい、歯周病治療は誤嚥性肺炎の予防に直結する重要な治療として、特に力を入れています。
経験豊富な歯科衛生士が、ご自宅のベッドサイドや車いすのままで、歯周ポケット内の歯石やプラークを専用器具で徹底的に除去します(スケーリング、ルートプレーニング)。
これにより、肺炎の原因菌を含む口腔内の細菌数を大幅に減らします。
また、歯周病は糖尿病や心疾患といった全身疾患とも関連が深いため、医科主治医と連携しながら、継続的な感染コントロールを目指します。
治療後も、定期的な訪問によるクリーニングと、ご家族への適切なケア指導を継続します。 - Q訪問歯科でもレントゲン撮影はできますか?
- Aはい、当院はポータブルレントゲンを携行して訪問するため、来院不要でレントゲン撮影が可能です。
レントゲン撮影は、むし歯の進行度、歯の根の状態(感染の有無)、歯周病による骨の吸収度合い、抜歯の際の根の形状など、正確な診断と安全な治療計画を立てる上で不可欠です。
ポータブルレントゲンは、被ばく量が非常に少なく、患者様のそばで安全に撮影できる設計になっています。
この機材があることで、外来と同水準の質の高い歯科医療を訪問環境で実現できる、当院の大きな強みの一つとなっています。 - Q治療中、患者が疲れたらどうなりますか?
- A患者様の体調と安全を最優先に考え、無理のない対応を徹底します。
治療中に患者様が疲れたり、不安を感じたり、拒否の素振りを見せたりした場合は、すぐに処置を中断します。
その日の治療は、患者様の負担にならない範囲で終了とし、体調が回復した別の日に改めて続きを行います。
当院では、一回の診療時間を30分程度と短めに設定するなど、患者様の体力的な負担を軽減する工夫をしています。
また、治療前には看護師や介護スタッフと連携し、患者様の体調の変化を常に把握した上で診療にあたります。 - Q訪問歯科の設備は外来と変わらないのですか?
- A訪問診療では、外来のユニット(診療台)をそのまま持ち運ぶことはできませんが、当院は外来と同水準の質の高い診療を行うための最新のポータブル機材を完備しています。
具体的には、ポータブルユニット(切削機器、バキューム、照明など)、ポータブルレントゲン、嚥下内視鏡(VE)などです。
これらはすべて、訪問環境に特化して設計されており、コンパクトながらも高性能です。
これにより、むし歯治療、根管治療、入れ歯の作製・調整、専門的な嚥下評価まで、幅広い処置を安全かつ精密に行うことが可能となっています。 - Q当院にはどんな専門家がいますか?
- A当院の訪問チームは、多岐にわたる専門性を持つエキスパートで構成されています。
歯科医師10名のうち、摂食嚥下認定医が在籍しており、嚥下障害の専門的な診断と治療計画を立案します。
また、義歯治療の経験が豊富な補綴歯科学会の専門医もおり、難症例の入れ歯にも対応可能です。
さらに、言語聴覚士(ST)がチームに参画し、嚥下リハビリを専門的に実施します。
これに加えて、歯科衛生士8名は、高い技術力で口腔ケアと予防を担当します。
この多職種によるチーム体制こそが、当院の提供する医療の質の高さを支える基盤です。 - Q衛生管理(感染対策)は大丈夫ですか?
- Aはい、衛生管理については、外来と同等以上の徹底した対策を講じています。
当院には第二種歯科感染管理者の資格を持つスタッフがおり、その指導のもと、すべての治療器具は専用の滅菌器で滅菌消毒されています。
訪問時には、滅菌パックに入れた状態で器具を携行し、患者様の前で開封します。
また、手袋、マスク、診療器具が触れる部分のカバーなども使い捨て(ディスポーザブル)を徹底し、患者様やご家族に感染リスクの不安を感じさせない環境を常に整えています。 - Q誤嚥性肺炎予防のための特別な資格を持った医師はいますか?
- Aはい、誤嚥性肺炎の予防と治療に特化した摂食嚥下認定医が在籍しています。
この認定医は、嚥下障害に関する高度な知識と技術を持つ専門家です。
嚥下内視鏡検査(VE)などを用いて、患者様の飲み込みの状態を正確に診断し、言語聴覚士(ST)と連携して、最適な摂食嚥下リハビリテーションの計画を立案します。
誤嚥性肺炎は命に関わる重篤な病気であるため、専門的な知見に基づき、口腔ケアとリハビリの両面から、患者様の「安全に食べる力」の維持・回復を最優先にサポートします。 - Q医療DX推進体制とは何ですか?
- A医療DX推進体制とは、医療分野でのデジタル技術の活用を推進する体制のことです。
当院では、訪問診療時にも電子カルテやデジタル機器を活用し、診療内容の記録や情報共有を正確かつ迅速に行っています。
具体的には、オンライン資格確認やマイナ保険証への対応、そして医科や介護事業所との情報連携にICTを用いることで、患者様の嚥下機能や口腔状態の変化をスムーズに共有します。
これにより、地域の医療・介護専門職がリアルタイムで患者様の情報を共有できる体制を整備し、地域包括ケアにおけるデジタル連携型訪問歯科を実現しています。 - Q歯援診(在宅療養支援歯科診療所)とは何ですか?
- A在宅療養支援歯科診療所(歯援診)とは、厚生労働省が定める厳しい施設基準をクリアし、医療依存度の高い方や、通院困難な方に対し、質の高い歯科診療を安心して提供できると認められた歯科診療所です。
この届出を持つには、過去の実績、複数の歯科医師・歯科衛生士の配置、訪問診療専用の機材の整備、そして医科や地域の在宅医療機関との連携体制が必須とされます。
当院は、この「歯援診」の届出を行っており、緊急時の対応手順や感染管理体制も整えているため、患者様とご家族に安全で継続的な在宅歯科医療を約束できる証明となっています。 - Q歯を残すか抜くか、の判断基準は何ですか?
- A歯を残すか抜くかの判断は、患者様の**「全身の安全とQOL」を最優先に慎重に行います。【残す(根管治療)を選ぶケース】は、歯の構造的な問題が限定的で、根管治療によって痛みが解消し、その後の義歯の土台として活用できる場合です。【抜歯を選ぶケース】は、歯周病や虫歯で歯が大きく破壊され、根管治療を行っても成功の見込みが極めて低い場合、あるいは歯がグラグラで誤嚥リスクが非常に高い**場合です。また、抜歯という外科的処置が大きな負担となる場合は、抜歯の必要性を慎重に検討します。この判断は、ポータブルレントゲンによる正確な診断と、医科主治医との連携によって行い、ご家族にメリット・デメリットを丁寧に説明した上で決定します。
- Q根管治療が成功しなかった場合どうなりますか?
- A根管治療は精密な処置ですが、訪問環境や患者様の全身状態、根の複雑さによっては成功しない場合があります。
根管治療が不成功に終わり、痛みが再発したり、感染が拡大したりした場合は、残念ながら抜歯を検討することになります。
抜歯が必要と判断された場合も、当院は医科主治医との連携を強化し、患者様の全身への負担が最小限となるよう、安全な処置を計画します。
また、抜歯後は、補綴専門医が新しい入れ歯の作製や調整へスムーズに移行できるようサポートし、患者様が「噛める喜び」を失わないよう尽力します。 - Q治療中に急変した場合の対応は?
- A当院は「在宅療養支援歯科診療所(歯援診)」として、緊急時の対応手順を明確に定めています。
万が一、治療中に患者様の体調が急変した場合は、まず歯科医師が緊急処置を行い、直ちに治療を中断します。
同時に、施設スタッフや訪問看護師、医科主治医へ速やかに連絡を取り、連携して対応します。
必要な場合は、緊急搬送の手配を迅速に行います。
日頃から、医科主治医や看護師と情報共有を行うことで、患者様の緊急時の対応について共通認識を持てる体制を整えているため、ご安心ください。 - Q訪問診療の経験は豊富ですか?
- Aはい、当院は10年以上の訪問歯科診療の経験と実績があり、柏市および周辺地域で多くの患者様の在宅生活を支えてまいりました。
数多くの認知症患者様、重度の全身疾患をお持ちの患者様、そしてターミナル期の患者様への対応経験を積み重ねています。
この豊富な経験に基づき、患者様の様々な状態、ご家族や介護現場の多様なニーズに対し、柔軟かつ専門的な対応が可能です。
この経験こそが、当院が自信をもって質の高いチーム医療を提供できる基盤となっています。 - Q嚥下障害(飲み込みの困難さ)の相談はできますか?
- Aはい、嚥下障害に関するご相談は、当院の最も得意とする専門分野の一つです。
当院には摂食嚥下認定医と言語聴覚士(ST)が在籍しており、歯科的なアプローチだけでなく、「食べる・飲み込む」機能回復の専門家として多角的に患者様をサポートします。
食事中にむせる、飲み込みに時間がかかる、食事後の咳が増えたといった症状は、嚥下障害のサインです。
放置すると誤嚥性肺炎の危険が高まるため、お一人で悩まず、早期に専門家チームにご相談ください。 - Q誤嚥性肺炎はなぜ起こるのですか?
- A誤嚥性肺炎は、主に「飲み込み機能の低下」と「口腔内の細菌の増殖」という二つの原因が重なって発生します。
年齢や病気により飲み込み機能が衰えると、食べ物や唾液が誤って気管に入り込みます(誤嚥)。
このとき、お口の中に歯周病菌や肺炎の原因菌が大量にいると、それらが一緒に肺に入り、肺炎を引き起こします。
つまり、飲み込む力そのものが衰えても、口腔内の細菌の数を減らしておくことで、肺炎のリスクを大幅に下げることができるため、専門的な歯科ケアが不可欠となります。 - Q誤嚥性肺炎の予防に歯科はなぜ重要ですか?
- A誤嚥性肺炎予防において歯科が不可欠な理由は、歯科が「感染源の除去」と「嚥下機能の維持」という二大予防策を担うからです。
【感染源の除去】では、歯科衛生士が専門的なクリーニングを行い、お口の細菌の総量を減らします。
【嚥下機能の維持】では、摂食嚥下認定医とSTが、義歯の調整やリハビリを通じて、舌や喉の筋肉の動きを改善し、誤嚥そのものを防ぎます。
この「お口の清潔と機能」の両面からアプローチできるのは歯科訪問診療チームならではの強みです。 - Q訪問先で嚥下内視鏡検査(VE)はできますか?
- Aはい、当院の大きな強みとして、ご自宅や施設で嚥下内視鏡検査(VE)を実施できる体制を整えています。
嚥下内視鏡(VE)とは、鼻から細いスコープを挿入し、のどの中の飲み込みの動作を直接映像で確認する専門的な検査です。
この機材を訪問先に持ち込むことで、患者様は病院へ移動する負担なく、普段の生活環境で、実際に食べているものを使って飲み込みの状態を評価できます。これにより、最も現実的で効果的なリハビリや食事形態のアドバイスが可能になります。 - Q嚥下内視鏡検査(VE検査)のメリットは何ですか?
- A嚥下内視鏡検査(VE)のメリットは多岐にわたります。
①患者様にご負担なく検査を実施できる。
検査にかかる時間はわずか15〜30分程度で、ベッドサイドで完結します。
②実際の食事で評価が可能。
普段食べているお粥や好物などを用いて評価できるため、評価結果が日々の食生活に直結します。
③のどの動きと食物の流れを詳しく評価できる。
誤嚥や咽頭残留(のどに食べ物が残ること)を正確に特定できるため、「どの姿勢で、どのような硬さのものを、どう食べるか」といった、具体的な介助方法をその場で検討し、効果を確認しながら決定できます。 - Q言語聴覚士(ST)はどのような役割を担いますか?
- A当院のチームに参画する言語聴覚士(ST)は、「食べる・飲み込む」機能の回復を専門とするリハビリのプロフェッショナルです。
歯科医師が歯や入れ歯の状態を評価するのに対し、STは、舌や口唇、喉の筋肉の動きや、呼吸と嚥下のタイミングなどを詳しく評価します。
そして、嚥下認定医と連携し、
①舌の運動や嚥下反射を促すための直接・間接訓練、
②より安全に食事ができるための食形態や姿勢の調整
を指導します。歯科衛生士による口腔ケアと、STによる機能訓練が連携することで、誤嚥性肺炎の予防効果を最大限に高めます。 - Q飲み込みやすい姿勢のアドバイスはもらえますか?
- Aはい、嚥下内視鏡検査(VE)の結果に基づき、患者様にとって最も誤嚥しにくい安全な食事中の姿勢を具体的にアドバイスします。
例えば、ベッドで食事をする方には、完全側臥位法(横向きに寝て食べる方法)や、顎を引く姿勢(頤下制)の取り方、背もたれの角度など、物理的な環境調整を指導します。
この姿勢の調整は、リハビリと並行して行うことで、その場ですぐに誤嚥リスクを下げられるため、非常に重要です。
ご家族や介護職の方が介助しやすいよう、分かりやすい言葉と実演で丁寧に説明いたします。 - Q食形態(とろみなど)の相談もできますか?
- Aはい、嚥下機能のレベルに合わせた適切な食形態について、具体的なアドバイスと提案を行います。
嚥下内視鏡検査(VE)で、どの硬さ、どの粘度の食べ物で誤嚥や残留が起きやすいかを特定し、誤嚥を防ぐための最適な食物形態(例:きざみ食が適切か、ペースト食が必要か、水にとろみが必要か)を判断します。
必要に応じて、管理栄養士とも連携し、栄養の確保と安全性を両立した食形態を提案します。
患者様の「食べたいもの」と「安全に食べられるもの」のギャップを埋めるための具体的な工夫をサポートします。 - Qむせがない場合でも誤嚥している可能性はありますか?
- Aはい、非常に残念ながらその可能性があり、これをサイレント・アスピレーション(不顕性誤嚥)と呼びます。
ご高齢の方は、感覚機能や反射機能が鈍くなっているため、食べ物や唾液が気管に入り込んでも、むせや咳といった自覚症状が出ないことがあります。
サイレント・アスピレーションは、気づかぬうちに肺炎を進行させるため、非常に危険です。
当院では、嚥下内視鏡検査(VE)によって、むせがない方でものどの奥で誤嚥が起きていないかを客観的に確認し、早期にリスクを発見し対策を講じることが可能です。 - Q嚥下リハビリはどのくらいの頻度で行いますか?
- A嚥下リハビリの頻度は、患者様の全身状態、嚥下機能の重症度、そして回復の目標に応じて、個別に計画します。
一般的には、機能の改善を目指す場合は週に1~2回、機能の維持を目指す場合は2週間に1回程度が目安となります。
しかし、リハビリの効果を最大限に引き出すためには、ご家族や介護職による日々の口腔体操や間接訓練の継続が不可欠です。
当院のSTや歯科衛生士が、訪問時に訓練を行い、ご家族・介護職には日々の生活の中で実践できる「継続しやすい」訓練方法を丁寧に指導し、連携してサポートします。 - Q歯のクリーニングだけでもお願いできますか?
- Aはい、専門的な歯のクリーニングや口腔ケアのみのご依頼も大歓迎です。
当院の訪問歯科の最も重要な役割の一つは、「治療」ではなく「予防」、特に誤嚥性肺炎の予防です。
経験豊富な歯科衛生士が、ご自宅のベッドサイドや車いすのままで、歯石除去や歯面清掃(PMTC)といった専門的なクリーニングを実施します。
これにより、肺炎や歯周病の原因菌を含むお口の細菌数を大幅に減らすことができます。
治療の必要がない方でも、定期的な専門家による口腔ケアは、健康維持のために強く推奨されています。 - Q専門的な口腔ケアとは、自宅での歯磨きとどう違うのですか?
- A自宅での歯磨き(セルフケア)が「日々の大掃除」だとすれば、専門的な口腔ケアは「徹底的なプロの清掃」です。
自宅での歯磨きでは落としきれない、
①歯周ポケットの奥に潜む歯石
②入れ歯の裏側や粘膜に付着した細菌の塊(プラーク)
を、歯科衛生士が専用の器具を用いて徹底的に除去します。
特に寝たきりの方や自立でのケアが難しい方は、口腔乾燥も伴い細菌が増殖しやすいため、専門家による定期的なクリーニングが不可欠です。
また、保湿剤や殺菌ジェルなど、専門アイテムを使った粘膜ケアも併せて行います。 - Q口腔ケアはなぜそんなに重要視されるのですか?
- A口腔ケアは、ご高齢者にとって「命を守るケア」だからです。
ご高齢の方の口腔内には、歯周病菌や肺炎の原因菌が大量に存在し、誤嚥性肺炎を引き起こす最大の感染源となっています。
専門的な口腔ケアによって、この感染源(細菌の総量)を減らすことは、誤嚥性肺炎を発症するリスクを大幅に低減させます。
さらに、口腔内が清潔になることで、味覚が改善し食事が美味しくなる、口臭が改善し会話への意欲が増す、といった生活の質の向上にも直結します。 - Q口腔乾燥(ドライマウス)の相談はできますか?
- Aはい、口腔乾燥のご相談も多く承っております。
高齢になると唾液の分泌量が減ったり、薬の副作用で口が乾きやすくなったりします。
口腔乾燥は、細菌の増殖を促し、むし歯・歯周病の進行、そして誤嚥性肺炎のリスクを高める原因となります。
当院では、
①専門的な保湿剤ジェルを用いた粘膜の保護と保湿ケア、
②唾液腺マッサージ
をご本人やご家族に指導し、自前の唾液分泌を促すサポートを行います。
お口の潤いを保つことは、快適な食生活の基盤です。 - Q舌の汚れ(舌苔)のケアもできますか?
- Aはい、舌の汚れ(舌苔)のケアも重要な口腔ケアの一環として行います。
舌苔は、食べ物の残りカスや細菌、剥がれた粘膜などが付着してできたもので、口臭の原因となるほか、肺炎の原因菌の温床ともなります。
当院では、スポンジブラシなどの専門器具を用い、患者様の舌を傷つけないよう優しく丁寧に清掃します。
また、ご家族や介護スタッフに対し、安全かつ効果的な舌清掃の方法を指導し、日々のケアに取り入れていただけるようサポートします。 - Q認知症で口腔ケアを拒否する場合、どうしたらいいですか?
- A認知症やその他の障害により口腔ケアを拒否されるケースは多くあります。
当院は、この拒否を「治療の妨げ」としてではなく、「患者様の訴え」として捉え、親身なコミュニケーションと専門的な技術で対応します。
①優しく、安心感を与える声かけを徹底し、
②患者様の表情や体の動きに応じた丁寧な診療を心がけ、無理強いはしません。
③バイトブロックなどの補助器具の使用を検討したり、
④日によって、あるいは時間帯によって最も受け入れやすいタイミングを探ったりする
など、ご家族や介護スタッフと連携しながら、粘り強く口腔ケアを継続するための最善策を模索します。 - Q入れ歯の正しい手入れ方法を教えてもらえますか?
- Aはい、入れ歯の正しい手入れ方法の指導も、歯科衛生士が責任をもって行います。
入れ歯は、歯と同じくらい細菌やカビが付着しやすく、感染源の温床となるため、誤嚥性肺炎の予防においてその清掃は不可欠です。
当院では、入れ歯用ブラシや専用の洗浄剤の適切な使い方、そして夜間の保管方法について、イラストなども用いて分かりやすく指導します。
入れ歯が清潔に保たれることで、義歯性口内炎などの粘膜トラブルも防ぐことができます。 - Q口腔ケアの際、どんな道具を使いますか?
- A当院の歯科衛生士は、患者様の口腔内の状態に合わせて、多種類の専門的なケアアイテムを持参します。
主なアイテムは以下の通りです。
ハブラシ(硬さ・ヘッドの大きさを使い分け)、スポンジブラシ(粘膜や舌の清掃に使用)、保湿剤ジェル(口腔乾燥対策)、コンクールジェル(殺菌・細菌コントロール)、バイトブロック(安全な開口補助)、入れ歯用ブラシ、入れ歯用洗浄剤などです。
これらの専門アイテムを適切に使用することで、訪問先でも質の高い口腔ケアを実現します。 - Q歯科衛生士さんはいつも同じ方が来てくれますか?
- Aはい、原則として担当制を導入し、できる限り同じ歯科衛生士が継続的に患者様を担当するよう努めています。
口腔ケアやリハビリの効果を最大限に引き出すためには、患者様の微妙な変化や、ご家族・介護者の方の細かなニーズを深く理解していることが不可欠だからです。
担当制により、患者様との間に信頼関係が築かれ、認知症の方の拒否が減るといった心理的なメリットも期待できます。
担当者の急な変更が必要な場合も、チーム内で綿密な情報共有を行った上で対応しますのでご安心ください。 - Q定期的な口腔ケアはどのくらいの頻度が必要ですか?
- A定期的な口腔ケアの頻度は、患者様の口腔内の衛生状態、嚥下機能、そして全身疾患の状況に応じて、個別に決定します。
一般的には、歯周病の進行度合いや嚥下障害のリスクが高い方には月に1~2回、状態が安定している方には1〜3か月に一度の専門的な訪問をお勧めしています。
当院では、治療後の良い状態を維持し、誤嚥性肺炎のリスクを継続的に管理するために、継続的なメンテナンス(プロフェッショナルケア)が不可欠であると考えています。 - Q介護・看護スタッフとの連携はどのように行いますか?
- A当院は、医科主治医、ケアマネジャー、訪問看護師、施設スタッフとの緊密な情報連携を最重要視しています。
患者様の口腔内の状態や嚥下機能の評価結果を、専門用語を避け、介護現場の視点に立った分かりやすい言葉で報告書にまとめ、速やかに共有します。
また、訪問時には、直接介護スタッフの方とコミュニケーションを取り、その日の治療内容や口腔ケアの注意点について口頭で伝達します。
この徹底した連携により、口腔ケアが介護プラン全体に効果的に活かされるよう努めています。 - Q報告書はどのような形式で提供されますか?
- A当院が作成する居宅療養管理指導報告書は、単なる診療記録ではなく、介護現場で「使える」質の高い情報としての役割を重視しています。
記載内容には、
①具体的な口腔内の状態の変化、
②義歯の調整が食事に与えた影響、
③誤嚥リスクに関する具体的なアドバイス、
④日々のケアに活かせる口腔ケア指導の内容
などを明確に記載します。
これにより、ケアマネジャー様はケアプランを更新する際の判断材料として、施設看護師は日々の口腔ケアや介助方法を見直す際の参考資料として、すぐに活用できる構成となっています。 - Q訪問後のフィードバックはすぐにありますか?
- Aはい、迅速なフィードバックを徹底しています。
診療終了後、歯科医師または歯科衛生士が、その日の治療内容や口腔内の状態、特に注意が必要な点について、介護スタッフの方に口頭で分かりやすくお伝えします。
また、文書による報告書(居宅療養管理指導報告書)についても、月次で速やかに作成し、ケアマネジャー様へ提出します。
情報の鮮度を保つことで、介護現場での対応をタイムリーに見直すことができるようサポートします。 - Q認知症の方への対応で工夫していることはありますか?
- A認知症の患者様への対応は、当院の重要な専門分野です。
私たちは、コミュニケーション力を最大の武器としています。
具体的には、
①優しく、安心感を与える声かけを徹底し、
②患者様の表情や仕草など、非言語的な反応を注意深く観察します。
③一つの処置を短時間で区切る、
④治療内容を理解しやすいシンプルな言葉で伝える、
⑤無理強いはしない、
といった対応を徹底し、患者様が安心して身を任せていただけるよう、信頼関係の構築に時間をかけて取り組みます。 - Q事務的な連絡窓口はありますか?
- Aはい、当院には事務専門のスタッフが在籍しており、連携の窓口を一元化しています。
ケアマネジャー様や施設からの電話やFAX、メールでの問い合わせに対し、専門スタッフが迅速に対応し、担当者へのスムーズな引き継ぎを行います。
また、居宅療養管理指導の報告書や計画書の提出、保険請求に関する管理も徹底しており、介護関係者様の事務負担を軽減できるよう努めています。
当院は、治療の質だけでなく、連携のスムーズさにおいても「最も連携しやすい訪問歯科」を目指しています。 - Q医科主治医との連携は必ず行うのですか?
- Aはい、特に抜歯や根管治療などの外科処置、あるいは全身疾患(心疾患、糖尿病、脳梗塞など)をお持ちの患者様の治療計画を立てる際は、必ず医科主治医と連携します。
具体的には、
①全身状態の把握、
②服薬中の薬剤(抗血栓薬など)の確認と調整
の相談を行います。
この連携は、歯科治療を安全に行い、全身状態の悪化を防ぐために不可欠です。
また、誤嚥性肺炎の予防についても、歯科から医科へ情報提供を行うことで、包括的な全身管理に貢献します。 - Q地域包括支援センターとの連携はありますか?
- Aはい、当院は柏市の地域包括支援センターと密接に連携しています。
地域の高齢者の皆様が、住み慣れた地域で生活を続けられるようサポートする地域包括ケアシステムの一員として活動しています。
地域包括支援センターと情報交換を行い、通院困難な方への歯科医療がスムーズに提供されるよう協力体制を築いています。
「お口の健康から生活全体を支える」という使命のもと、地域の介護・福祉の専門職と連携し、高齢者のQOL向上に貢献しています。 - Q介護スタッフへの指導は含まれますか?
- Aはい、介護スタッフの方々への口腔ケア指導は、当院の重要な役割の一つです。
歯科衛生士が、患者様のお口の状態に合わせた最も効果的な歯磨き方法や、安全な食事介助のポイント、義歯の手入れ方法などを丁寧に指導します。
特に、認知症などで口腔ケアを拒否される際の具体的な対応テクニックについてもアドバイスを行います。
日々のケアの質が向上することで、誤嚥性肺炎のリスクを下げ、患者様の口腔環境の安定につながります。 - Q患者の体調が不安定な場合の相談に乗ってもらえますか?
- Aはい、患者様の体調が不安定な場合や、病状が進行している場合の歯科治療についてのご相談にも親身に対応いたします。
当院は「在宅療養支援歯科診療所(歯援診)」として、医療依存度の高い方への対応経験が豊富です。
歯科治療が全身に与える影響を考慮し、医科主治医や看護師と連携しながら、無理のない範囲で苦痛を取り除く治療(痛み止め、応急処置など)を優先します。
患者様の残された時間を、苦痛なく快適に過ごしていただけるよう、最大限のサポートを行います。 - Q当院は自治体の事業に参加していますか?
- Aはい、当院は柏市の自治体が行う口腔保健事業に積極的に参加しています。
特に後期高齢者健診など、通院が難しい地域の高齢者の方々を対象とした健康増進事業に協力し、地域住民の皆様の口腔健康意識の向上と、早期の機能低下発見に貢献しています。
自治体事業への参加は、地域社会の一員として、公衆衛生の向上に貢献するという当院の使命の一環です。 - Qはじめて訪問歯科を利用する際、何から始めれば良いですか?
- Aまずは、当院にお電話でご連絡いただくのが最も早い方法です。
その際、患者様の氏名、住所、現在の健康状態(特に通院が困難な理由)、担当のケアマネジャーさんの有無などをお知らせください。
介護保険サービスをご利用中の場合は、担当のケアマネジャーさんにご相談いただくことも可能です。
当院の専門スタッフが、訪問歯科診療の対象となるかを確認し、初診までの流れや必要な手続きについて丁寧にご案内いたします。 - Qケアマネジャーにどのように伝えれば良いですか?
- A担当のケアマネジャーさんには、「歯の痛みや入れ歯の不具合があるので、すえいし歯科矯正矯正歯科 歯科訪問部に訪問歯科診療を依頼したい」旨をお伝えください。
その際、「誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアと嚥下相談もお願いしたい」といった具体的なご要望も伝えていただけると、依頼がスムーズになります。
ケアマネジャーさんは、当院との連絡調整、治療計画の共有、介護保険サービス(居宅療養管理指導)の組み込みなど、連携の中心的な役割を担ってくださいます。 - Q診療開始までの流れを教えてください。
- A診療開始までの流れは、以下の通りです。
1,お問い合わせ・ご相談(ご本人、ご家族、またはケアマネジャー様から)
2.日程調整(無料歯科検診・初診の日程調整)
3,無料歯科検診・初診(歯科医師・歯科衛生士が訪問し、口腔内と全身状態をチェック)
4,治療計画のご提案(検査結果とご要望に基づき、費用を含めた計画を説明)
5,同意(計画にご納得いただけたら、同意書にご署名いただきます)
6,治療・ケア開始(計画に基づき、訪問診療を開始)
この手順で、患者様とご家族が安心して診療を受けられるよう、丁寧にサポートいたします。 - Q初診の際、費用はかかりますか?
- A初診時の検診やご相談についても、健康保険や介護保険が適用されますので、ご安心ください。
全額自己負担となることはありません。
初診時には、患者様の健康保険証や介護保険証に基づいて、自己負担割合に応じた費用が発生します。
当院では、患者様やご家族に安心してサービスを利用していただくため、治療計画をご提案する際に、費用についても詳しくご説明し、ご納得いただいた上で治療に進むことを徹底しています。 - Q初診の際、用意しておくものはありますか?
- A初診の際には、以下のものをご用意いただけるとスムーズです。
・健康保険証
・介護保険証(介護認定を受けている方)
・お持ちの医療証(後期高齢者医療被保険者証など)
・お薬手帳(服用されている薬剤、特に血液サラサラの薬などの確認のため)
・入れ歯(お持ちの方)
また、できれば患者様の全身状態がわかる資料(看護記録、かかりつけ医からの情報など)があると、より安全で適切な診断と治療計画の立案に役立ちます。 - Q治療計画に納得できない場合は断っても大丈夫ですか?
- Aはい、もちろんです。
当院では、患者様とご家族の意思を最大限に尊重します。
歯科医師から治療計画をご提案させていただいた後、費用、治療内容、期間などについて、一つでもご不明な点やご納得いただけない点があれば、遠慮なくお申し出ください。
ご家族が納得されるまで、治療を無理に開始することはございません。患者様にとって最善の選択ができるよう、代替案のご提案や、治療のメリット・デメリットの再度の説明など、誠意をもって対応させていただきます。 - Q訪問診療はどのくらいの頻度で来てもらえますか?
- A訪問診療の頻度は、患者様の治療内容や口腔内の状態によって異なります。
治療期: むし歯や入れ歯の作製などがある場合は、週に1〜2回の頻度で集中的に訪問することがあります。
メンテナンス期: 治療が完了し、口腔ケアと機能維持が主目的となった場合は、誤嚥性肺炎のリスクを継続的に管理するため、1〜3か月に一度の定期的な訪問を推奨しています。
患者様の体力やご家族のご希望も考慮し、無理のない最適なスケジュールを相談して決定いたします。 - Q家族の立ち会いは必要ですか?
- A常に家族の立ち会いが必要というわけではありませんが、初診時や重要な処置の際は、できる限り立ち会いをお願いしております。
立ち会いをお願いする主な理由は、
①治療方針や費用について詳しくご説明し、同意をいただくため、
②患者様が不安を感じた際に、一番安心できる存在(ご家族)に寄り添っていただくため、
③日々の口腔ケアや食事介助の指導を直接行って、連携を強化するため
です。
施設の入居者の方の場合、施設スタッフの方に立ち会っていただくことも可能です。 - Q訪問時に水や電気は借りますか?
- Aはい、訪問診療を行う上で、ポータブルユニットなどの機材を使用するために、お部屋のコンセント(電気)を一部お借りいたします。
また、治療に使用する器具を洗うための水についても、少量ではございますがお借りしております。
お借りするスペースや設備については、事前に確認し、患者様やご家族の生活に支障がないよう、細心の注意を払います。
使用後には、周囲を清掃し、元の状態に戻してから退出いたしますのでご協力をお願いいたします。 - Q訪問歯科の相談窓口はどこですか?
- A訪問歯科診療に関するご相談は、電話、FAX、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
当院には、訪問歯科に精通した専門の事務スタッフがおりますので、「通院が難しい」「入れ歯が壊れた」「むせが増えた」など、どんな些細なご相談でも結構です。
患者様の苦痛を取り除き、快適な日常を取り戻すため、私たち専門チームがお手伝いいたします。
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