摂食嚥下(飲み込み)
「食事中にむせることが増えた」
「飲み込みに時間がかかる」
「食べることが怖くなった」
摂食嚥下(せっしょくえんげ)障害は、食べる喜びを奪うだけでなく、誤嚥性肺炎という命の危険に直結する深刻な問題です。
すえいし歯科矯正歯科 歯科訪問部では、摂食嚥下認定医と言語聴覚士(ST)が連携し、ご自宅や施設へお伺いして、「安全に、美味しく食べる力」を取り戻すための専門的なサポートを提供しています。
特に、訪問先で嚥下内視鏡検査(VE)を実施できる体制は、患者様にご負担なく、最適なリハビリ計画を立てるための当院の大きな強みです。
摂食嚥下機能の重要性:「口から食べる」ことが生きる力
私たちが考える摂食嚥下機能とは、単に栄養を摂取する行為に留まりません。
全身の活力を維持
食べ物の味や香りを感じ、噛み、飲み込むという一連の動作が、脳や全身の筋肉を刺激し、生きる意欲と体力の維持に深く関わります。
誤嚥性肺炎の予防
飲み込みがうまくいかないと、食べ物や唾液がお口の細菌と一緒に誤って気管に入り込み(誤嚥)、誤嚥性肺炎のリスクが跳ね上がります。
安全に飲み込む力を維持することが、命を守ることにつながります。
QOL(生活の質)の向上
家族や友人と一緒に、同じ食卓を囲み、美味しいものを食べる喜びは、かけがえのない幸せです。
その喜びを最期まで続けていただくことが、私たちの目標です。
ご自宅で完結する「評価・リハビリ・連携」の専門サポート
当院は、患者様とご家族の負担を最小限に抑えつつ、専門性の高い嚥下サポートを提供します。
専門家チームによる嚥下評価・リハビリの実施
当院の摂食嚥下サポートは、歯科医師・摂食嚥下認定医・言語聴覚士(ST)の多職種連携によって進められます。
言語聴覚士(ST)と連携してサポート
STは「食べる・飲み込む」機能回復の専門家です。
歯科医師が歯や入れ歯の状態、STが舌や喉の筋肉の動き、呼吸機能を評価し、包括的なリハビリ計画を立案します。
嚥下評価・リハビリを実施
嚥下機能の低下が疑われる場合、まずは問診と簡易的な機能検査を実施。
その結果に基づき、直接訓練(実際に食べ物を使う訓練)や間接訓練(マッサージや体操)を安全に行います。
ご自宅で受けられる「嚥下内視鏡検査(VE)」
嚥下内視鏡検査(VE)とは、鼻の穴から細い内視鏡を挿入し、のどの中の飲み込む動作を直接映像で確認し、飲み込みの状態を検査するものです。
嚥下障害の診断には、飲み込みの瞬間を客観的に観察することが不可欠です。
当院は、この専門的な検査を訪問先で実施できる体制を整えています。
VE検査の3つの大きなメリット
患者様にご負担なく検査を実施
機材の移動が可能なため、ご自宅や自室にいらっしゃる患者様にご負担なく検査を行えます。
検査のために病院まで移動する身体的・精神的な負担がありません。
実際の食事で評価が可能
患者様が実際に普段食べているもの・食べたいものを用いて摂取状態を評価できます。
これにより、より現実的で、生活に即した診断が可能です。
のどの動きと食物の流れを詳しく評価
飲み込んだ後の誤嚥(気管への侵入)や咽頭残留(のどに残ること)などを詳しく評価できるため、問題の原因を正確に特定できます。
検査内容について
検査にかかる時間は15〜30分程度です。
検査中は、患者様・ご家族・医療スタッフが画像を一緒に見て話し合いながら、飲み込みの状態を評価していきます。
誤嚥や咽頭残留がある場合、食事をするときの姿勢や食物形態の見直し、一口量の調整、食べる順番の工夫など、さまざまな飲み込みの方法を試しながら、その場ですぐに効果を検討します。
多職種連携による「飲み込みやすい環境」の提案
機能訓練だけでなく、環境を整えることが、誤嚥を防ぐ上で非常に重要です。
飲み込みやすい姿勢・食形態を提案
嚥下評価の結果に基づき、食事中の姿勢(例:顎の引き方、安全な側臥位など)や、とろみをつけた食物形態について、ご家族・介護職へ具体的にアドバイスします。
ご家族・介護職へのアドバイスも実施
日々の食事介助で役立つ専門的な介助方法、拒否が出た場合の対応、誤嚥を防ぐための口腔機能サポート方法などについて、きめ細かく指導します。
訪問診療をご希望の方へ
「むせが多いのは年齢のせいだから仕方ない」と諦めてしまう必要はありません。
適切な評価と専門的なリハビリ、そして日々の食環境の工夫によって、「食べる力」は必ず維持・回復できます。
私たち、すえいし歯科矯正歯科 歯科訪問部は、訪問内視鏡という高い専門性と、STとの連携によって、患者様ご本人とご家族に苦痛のない、豊かな食事の人生を提供したいと考えています。
摂食嚥下に関するお悩みは、まずはケアマネジャーさんにご相談いただくか、当院までお気軽にお電話にてご連絡ください。
